「世界一大きな犬」としても知られるグレートデーン。犬の王様とも呼ばれるほど、堂々とした体格と優雅な雰囲気を持つ犬種です。
この記事では、そんなグレートデーンについて「どんな性格?」「お手入れってどうなの?」といった疑問にも答えていきます。
他にも飼育にかかる費用や飼い方のポイント、病気と対策など、お迎え前に知っておきたい情報が満載なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
グレートデーンの基本情報

- 名前 グレートデーン
- 原産国 ドイツ
- 平均体重 45~54kg
- 平均体高 70~81cm
- サイズ 大型犬
- カラー ブリンドル、フォーン、ブルー、ブラック、ハールクインなど
- 平均寿命 8~10年
グレートデーンの見た目の特徴
グレートデーンの最大の特徴は、その圧倒的な体の大きさです。体高はオスで80cmを超えることがあり、体重も平均は50kgほどですが、大きい子だと90kgに達することもあります。
実際に並んでみると、立ち上がったときは大人の人間と同じくらいの高さになるほどです。そんな堂々とした立ち姿が、「犬の王様」と呼ばれる理由のひとつでしょう。
しかしその迫力ある外見に反して、目元や表情にはやさしさがにじみ出ています。また、顔の形は長めのマズルと端正な輪郭が特徴的で、耳は断耳されて立っている子もいれば、自然な垂れ耳の子もいます。
被毛の特徴とお手入れ方法

グレートデーンの被毛は、短く滑らかな手触りのシングルコートです。抜け毛は比較的少なめなので、お手入れはそこまで大変ではありません。
ただし、毛が短かくてもシャンプーやブラッシングは必要なので、この後紹介するお手入れ方法を参考にしてみてくださいね。
①シャンプーについて
まずはシャンプーについて解説していきます。月に1回を目安におこない、犬用の低刺激・無香料のシャンプーを使用して洗いましょう。人間用のシャンプーはワンちゃんにとって刺激が強いので避けてくださいね。
そして洗い方ですが、お湯の温度は36~38℃に設定し、下から上へと洗っていきましょう。流すときは汚れや泡を落とすために、上から下へと流してくださいね。
洗い終わった後はタオルでよく拭き、ドライヤーで乾かします。人間用のドライヤーだと温度が高いことがあるので、犬用のドライヤーを使うのもおすすめですよ!
②ブラッシングについて
短毛のグレートデーンですが、週に1回はブラッシングをおこないましょう。
ラバーブラシや獣毛ブラシを使って優しくマッサージするようにブラッシングすることで、血行も良くなり、皮膚の健康も保てます。結果的に毛並みのツヤもアップして、健康的な印象になりますよ。
また、ブラッシングはスキンシップの時間としても最適です。「今日はどんなコンディションかな?」と愛犬の体をチェックする習慣づけにもなりますね。
グレートデーンの性格

ここではグレートデーンの性格を4つにわけて深堀してみました。この後、ひとつずつ詳しく紹介していきますね!
- ①おだやかで優しい
- ②勇敢で頼もしい
- ③飼い主に忠実
- ④意外と繊細
①おだやかで優しい
見た目は迫力満点なグレートデーンですが、性格はとても穏やかです。家族や子どもに対しても優しく接し、守るような行動をとることが多いんですね。
そのため「ジェントルジャイアント(優しい巨人)」と呼ばれることもあります。自分の力が強いことを分かっていながら、それを見せびらかそうとしない優しさも愛される理由のひとつですね。
②勇敢で頼もしい
グレートデーンは頼もしく、家族を守るために、いざというときは勇敢に立ち向かう強さを見せる犬種です。
そのため、昔は護衛犬や狩猟犬としても活躍してきました。大きな体格と勇敢な心は、まさに「王様」の風格ですね。
③飼い主に忠実
家族との絆をとても大切にするのも、グレートデーンの性格のひとつです。
飼い主に忠実なので、指示をよく聞き、しつけもしやすい性格を持っています。なので、一度信頼関係を築けば、生涯にわたって寄り添ってくれるワンちゃんです。
こちらが愛情を注いだ分、グレートデーンは信頼で返してくれますよ。
④意外と繊細
堂々としているように見えて、実は繊細な一面もあるグレートデーン。
大きな声で叱られると落ち込んでしまったり、環境の変化に敏感になったりすることもあります。そのため優しく声をかけ、安心させてあげることが大切です。
甘えん坊な性格の子も多く、体は大きくても膝に乗ってくるような甘え方をすることもあります。このギャップも、グレートデーンの魅力のひとつですね。
歴史や起源
グレートデーンの歴史が始まったのは、14世紀頃のドイツと言われています。
当時は勇敢で力強い性格を活かし、イノシシ狩りで活躍していました。大きな体を武器に、危険な狩りにも立ち向かう姿は、まさにハンターの頼れる相棒だったんです。
また、当初は「ドイチェンドッゲ」という名前で呼ばれていましが、時代が進むにつれ、「グレートデーン」という名前が世界に広まりました。
これは「大きな」「デンマークの」という意味で、かつてデンマーク原産と考えられていた影響なんです。つまり、名前とルーツがすれ違ったまま定着してしまったんですね。
やがて第二次世界大戦前後を境に、正式な原産国はドイツだと定められました。こうして現在の「ドイツの犬・グレートデーン」としての地位が確立されたのです。
さらに歴史をたどると、日本に渡ってきたのは明治時代のこと。その後は土佐犬の改良にも関わるなど、日本の犬文化にも少なからず影響を与えた犬種です。
飼育にかかる費用

「グレートデーンを飼いたい!」と思ったら飼育費用も気になるところですよね。基本的な初期費用やお迎え後にかかる費用を知って、問題なく飼育できるか確認しておきましょう。
グレートデーンの子犬の購入価格
ブリーダー 平均45万円
マイクロチップ 約1,000円
畜犬登録 約3,000円
最初にそろえる生活品
5万円~7万円ほど
- サークル
- クレート
- トイレ
- ペットシーツ
- 首輪やリード
- 食器類
- お手入れ用品
- おもちゃなど
狂犬病予防ワクチン 約3,500円
混合ワクチン 約10,000円
健康診断 約15,000円
フィラリア予防薬 約2,000円
さらに、フードの品質にもよりますが、グレートデーンは毎月のフードやおやつなどの消耗品に15,000円ほどかかります。他にも、ケガや病気で急な出費が出る場合もあるので、必ず最後まで面倒を見れるように準備をしてからお迎えをしてくださいね。
かかりやすい病気と対策
グレートデーンを飼う前には、どのような病気に注意が必要か知っておくことが大切です。かかりやすい病気と対策を知って、いざというときに落ち着いて対応出来るようにしておきましょう。
ここでは、特に注意したい代表的な3つの病気と、その対策を紹介していきますね。
- ①胃捻転
- ②股関節形成不全
- ③拡張型心筋症
①胃捻転
胃捻転は、胃にガスや食べ物が溜まり、さらに胃がねじれてしまうことで命に関わる危険がある病気で、食後すぐの激しい運動や、早食いなどが原因だと言われています。
症状としては、吐きたそうにしているのに何も出ない、お腹が張る、呼吸が荒くなるなどで、症状の進行が速いのが特徴です。
一度の食事を小分けにすること、ゆっくり食べさせること、食後すぐに走らせないことなどの対策を取るようにしましょう。
②股関節形成不全
股関節形成不全は、特に大型犬に多く見られ、股関節がうまくはまらず歩行に支障をきたすことがある病気です。遺伝が主な原因ですが、急速な成長や肥満もリスクを高めます。
症状としては、歩き方がぎこちない、足を引きずる、立ち上がるのがつらそうといった行動が見られます。
対策は、体重管理と適度な運動が効果的です。関節への負担を減らすために、子犬期から肥満に注意し、滑りやすい床にはマットを敷くなどの対策をしてくださいね。
③拡張型心筋症
グレートデーンは心臓の病気にも注意が必要で、その代表が拡張型心筋症です。
拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなり全身に血液を送る力が弱くなる病気で、命に関わる深刻なケースも少なくありません。
原因ははっきり分かっていませんが、遺伝的な要因が大きいと考えられています。症状としては、疲れやすい、咳をする、呼吸が速いなどが見られます。
早期発見し愛犬を守るためにも、定期的な心臓検診やエコー検査を受けるようにしてくださいね。
飼い方や育て方

ここでは日常生活で特に大切な「運動」「しつけ」「食事」「お留守番」の4つのテーマに絞って解説していきます。
- ①運動不足を防ぐためのケア
- ②しつけのポイント
- ③食事と栄養管理について
- ④お留守番の工夫やコツ
①運動不足を防ぐためのケア
グレートデーンは家の中でおとなしく過ごすことも多いですが、毎日の運動は必須です。
理想は朝と夕方1時間程度の散歩に、時間があればドッグランでの運動もおすすめします。
ただし、成長期の子犬は骨や関節が未発達なので、激しい運動は控えましょう。ゆったりとした散歩を続けることで、体力づくりとストレス発散につながりますよ。
②しつけのポイント
しつけのポイントとしては、基本的な「待て」「おすわり」「おいで」などを丁寧に覚えさせることが重要です。
特にグレートデーンのように、体が大きく力も強い犬種の場合、成犬になってからだと制御が難しくなることもあるので、子犬の頃からのしつけが理想です。
また、基本は褒めて伸ばす方法がおすすめです。ただし、叱らなければいけない場面もあると思うので、どんな褒め方や叱り方が良いのかも少し見ていきましょう。
まず、褒めるときはとにかく褒めます。大げさなくらいに褒めてあげましょう。「楽しい=またやりたい」と思わせることがコツですね。
そして、叱るときは低い声で短く「ダメ」と言うのがポイント。長々と説教しても理解できませんし、かえって混乱させてしまいます。「なぜダメなのか」ではなく「これはダメ」ということを明確に伝えるようにしましょう。
③食事と栄養管理について
ワンちゃんの食事は、ライフステージに応じた栄養バランスが大切です。子犬期は高タンパク・高カロリーの成長期用フード、成犬期は維持期用フード、シニア期は消化しやすいシニア用フードがおすすめです。
また、おやつは一日の食事の10%以内に抑えて、肥満にならないように注意しながら与えるようにしましょう。
そして、食事の与え方も大切ですが、同じくらいに水分補給も大切です。いつでも新鮮な水が飲めるように常に用意しておいてあげてくださいね。
このように、愛犬の体質や年齢などに合わせて、上手くフードを切り替えながら栄養管理をしていきましょう。
④お留守番の工夫やコツ
グレートデーンは甘えん坊な性格の子も多く、お留守番がちょっぴり苦手なので、長時間ひとりにすると、不安からいたずらや無駄吠えにつながってしまうこともあります。
そのため、お留守番には工夫が必要なんです。まず、お留守番の時には時間をかけて遊べる知育トイやお気に入りのおもちゃを用意して、退屈しないようにしてあげましょう。他にも、飼い主さんのにおいの付いた服やタオルを用意してあげると安心してくれますよ!
また、温度管理にも注意が必要です。夏場は特に熱中症に気を付けて、エアコンを忘れずにつけておきましょう。
一般的にワンちゃんが快適に過ごせる温度は25度前後と言われていますが、普段から愛犬にとっての適温を調べておいてくださいね。
お迎え方法

ワンちゃんを迎える方法としては主に3つあり、ペットショップでの購入、ブリーダーからの購入、保護犬の里親になるなどが挙げられます。
ペットショップやブリーダーからの購入、保護犬を迎える場合など、それぞれの特徴やポイントをしっかり押さえてあなたに合った方法を選びましょう。
ペットショップからお迎えする場合
グレートデーンは、ペットショップで出会えることがほとんどありません。そのため、どうしてもペットショップからお迎えしたい場合は、根気強く探す必要があります。
また、ペットショップでのお迎えを考えている場合は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 親犬の情報(血統や健康状態)を確認できるか
- ショップの衛生管理がしっかりしているか
- 子犬の性格や育ち方を丁寧に説明してくれるか
ただし、ペットショップでは親犬の情報がわかりにくいこともあるので、健康面や遺伝疾患についてしっかり聞いておきましょう!
ブリーダーからお迎えする場合
グレートデーンをお迎えするなら、信頼できるブリーダーからのお迎えがおすすめです。ブリーダーなら、親犬の健康状態や育成環境をしっかり確認できるため、安心して迎えられます。
良いブリーダーの選び方
- 衛生管理が行き届いた環境で育てられているか
- 親犬や兄弟犬と一緒に過ごし、適切な社会化がされているか
- 遺伝疾患のリスクを説明してくれるか
また、悪質なブリーダーを避けるために、子犬をすぐに引き渡そうとするブリーダーは要注意!
信頼できるブリーダーを探すには、「JKC(ジャパンケネルクラブ)」や「ブリーダー直販サイト」を活用するとよいでしょう。
保護犬を迎える場合
ペットショップやブリーダーからのお迎え以外に、保護犬の里親になる方法もあります。保護施設や動物愛護団体では、グレートデーンを含むさまざまな犬達が新しい家族を待っています。
- 費用が比較的安く、お迎えしやすい
- 成犬の場合、しつけが済んでいることが多い
- 保護犬を迎えることで、新たな命を救える
ただし、過去にトラウマを抱えている子もいるため、十分な理解と愛情をもって迎えることが大切です。「ペットのおうち」や「ハグー」といった保護犬のマッチングサイトを活用すると、相性の良い子を見つけやすいですよ!
お迎え方法まとめ
| お迎え方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ペットショップ | すぐにお迎えできる | 親犬の情報がわかりにくい |
| ブリーダー | 健康管理がしっかりされている | 価格がやや高め |
| 保護犬・里親 | 費用が安く、命を救える | 過去のトラウマがある子もいる |
グレートデーンに関するQ&A

ここでは、グレートデーンについてよくある質問を見ていきましょう。今回は4つ紹介していきますね!
- ①初めて犬を飼う人でも大丈夫?
- ②子供や他のペットとの相性は?
- ③グレートデーンはなんで寿命が短いの?
- ④グレートデーンは寒さに弱いの?
①初めて犬を飼う人でも大丈夫?
正直に言うと、グレートデーンは初めての犬としてはかなりハードルが高いです。難しい理由としては、体が大きいぶん、しつけや日常の管理が小型犬や中型犬よりも難しいことが挙げられます。
ですが、初めてだから絶対に無理ということは無いので、「大型犬を飼うのが夢」という方なら、下調べと準備を徹底して挑戦するのは良いと思います。
犬の飼育経験がある人やドッグトレーナーのようなプロにサポートしてもらうのもひとつの手ですよ!
②子供や他のペットとの相性は?
基本的に穏やかでフレンドリーなので、子供や他のペットとの相性も良いワンちゃんです。
ただし、本人は遊んでいるだけのつもりでも、大きな体格なのでケガに繋がることもあります。そのため、小さな子どもや小型犬と一緒に過ごす場合は、必ず大人がそばで見守るようにしてくださいね。
相性をよく見極めて、しっかり環境を整えれば、頼もしいお兄さん・お姉さんのような存在になってくれますよ。
③グレートデーンはなんで寿命が短いの?
グレートデーンの平均寿命は8~10年ほどで、大型犬の中でも短めです。理由は体がとても大きく、心臓や関節への負担が大きいからなんですね。
また、胃捻転や心筋症など、命に関わる病気のリスクが高いことも関係しています。とはいえ、適切な食事管理や定期的な健康診断など、日々のケアをしっかりとおこなえば、10年以上生きる子も多いですよ!
④グレートデーンは寒さに弱いの?
短毛でアンダーコートのないグレートデーンは、寒さに弱い犬種です。なので、冬場は防寒対策も欠かせません。大型犬だから大丈夫、と思われがちですが実は冷えに敏感なんです。
また寒さだけでなく、実は暑さにもあまり強くありません。グレートデーンは体温調節があまり得意ではないので、季節ごとにしっかりと温度管理をしてあげてくださいね。
まとめ
この記事ではグレートデーンについて紹介してきました。「自分に飼えるかな?」と迷っていたあなたも、この記事を読んで少しでも飼うイメージが持ててくれたら嬉しいです。
どんなワンちゃんを迎えるにしても、大切なのは飼い始める前にしっかりと準備をすることです。住環境、経済面、時間の確保など、様々な角度から検討してください。そして何より、この子の一生に責任を持つ覚悟があるかどうかが一番大切です。
あなたとグレートデーンとの素敵な出会いがありますように!最後までご覧いただきありがとうございました!



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