ロシア生まれの気品溢れる大型犬、ボルゾイ。その優雅な見た目と穏やかな性格から、世界中で愛されているワンちゃんです。
この記事ではそんなボルゾイについて、「どんな性格?」「お手入れってどうなの?」といった疑問にも答えていきます。
他にも飼育にかかる費用や飼い方のポイント、病気と対策など、お迎え前に知っておきたい情報が満載なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
ボルゾイの基本情報

ボルゾイの見た目の特徴
ボルゾイを見た時にまず目を引くのが、その大きさではないでしょうか。まず体高はオスでおよそ75cm前後、メスで70cmほどと、大型犬の中でもかなり大きな部類に入ります。
そして体は細くしなやかで、まるで風を切るために作られたような流線型のラインをしています。さらに、首が長く堂々とした姿勢で立つ姿は、まさに「貴族の犬」と呼ばれるにふさわしい佇まいです。
そのうえ脚がすらりと長いため、スタイルが良く、立っているだけでも圧倒的な存在感を放ちます。
また頭部は細長く、アーモンド型の瞳が印象的です。美しい体型だけでなく優しい顔つきや知的な表情もボルゾイの魅力のひとつですね。
被毛の特徴とお手入れ方法

ボルゾイの被毛はダブルコートで、長くて柔らかく波打つような飾り毛が特徴です。触り心地はシルクのように滑らかな手触りをしています。
そして、毛色は様々なカラーが認められていますが、ホワイトをベースにブラックやレッド、クリームなどの斑が入ることが一般的です。
また、春と秋の換毛期には抜け毛が増えるので、毎日のお手入れが必須です。お手入れ方法については、この後シャンプーとブラッシングに分けて解説していきますね。
シャンプーについて
まずはシャンプーについて解説していきます。月に1回を目安におこない、犬用の低刺激・無香料のシャンプーを使用して洗いましょう。人間用のシャンプーはワンちゃんにとって刺激が強いので避けてくださいね。
そして洗い方ですが、お湯の温度は36~38℃に設定し、下から上へと洗っていきましょう。流すときは汚れや泡を落とすために、上から下へと流してくださいね。
洗い終わった後はタオルでよく拭き、ドライヤーで乾かします。人間用のドライヤーだと温度が高いことがあるので、犬用のドライヤーを使うのもおすすめですよ!
ブラッシングについて
次にブラッシングですが、ボルゾイの毛は長く絡まりやすいので、毎日のケアが欠かせません。特に胸や耳の後ろ、内股部分は毛玉になりやすいので念入りにブラシをかけてあげましょう。
ブラシはピンブラシやスリッカーブラシを使うと、毛を傷めずに整えることができるのでおすすめです。
また、ブラッシングを習慣化することで、抜け毛の量を減らし、部屋の掃除も楽になるというメリットもあります。さらに皮膚の血行促進や、愛犬とのコミュニケーションにもつながりますよ。
ボルゾイの性格

ここではボルゾイの性格について深堀していきます。今回は4つに分けて紹介していきますね!
- 穏やかで優しい
- 独立心が強い
- 繊細でデリケート
- 狩猟本能が出ることも
①穏やかで優しい
ボルゾイの性格で最も印象的なのはその穏やかさです。無駄吠えも少なく、室内では静かに過ごしていることが多いので、一緒にのんびりした時間を過ごせますよ。
また、優しい性格も相まって子供との相性もぴったりなワンちゃんです。
②独立心が強い
優しい性格の一方で、独立心が強いところもボルゾイの特徴です。そのため、ベッタリ甘えてくるよりは、適度な距離感を保ちながら接する傾向があります。
これはもともと狩猟犬として、自分で判断して行動する力を持っていた名残でもあるんですよ。
③繊細でデリケート
さらに、ボルゾイが繊細でデリケートな性格を持つことも忘れてはいけません。
急な大きな音や強い叱責には敏感に反応し、ストレスを感じやすいタイプです。また、飼い主の感情をよく読み取るため、優しく穏やかに接して安心感を与えてあげると、信頼関係も築きやすくなりますよ。
④狩猟本能が出ることも
ボルゾイは狩猟犬としての名残から、外に出ると狩猟本能が顔を出すことがあります。特に小動物を見ると追いかけたくなる性質が残っており、散歩中には注意が必要です。
そのため、リードを必ずつけ、安心してコントロールできるようにしておくことが欠かせません。
外では活発に走り回り、家では落ち着いて過ごすというギャップもボルゾイの魅力のひとつですが、しっかりと指示を聞くようにしつけておくことが大切です。
歴史や起源

ボルゾイの歴史は古く、その起源は13世紀頃のロシアにさかのぼります。
もともと猟犬として活躍しており、役割は「サイトハウンド」、つまり目で獲物を追って仕留める仕事で、野兎やキツネ、さらにはオオカミまでも追いかけていました。
特にロシア帝国の時代には、貴族たちが広大な領地で狩猟を楽しむ際の欠かせないパートナーでした。その姿は単なる猟犬にとどまらず、富と権威を象徴する存在でもあったんです。
しかしロシア革命の混乱期には貴族の象徴とみなされたため、多くのボルゾイが民衆によって命を落とし、絶滅の危機にさらされてしまいます。
それでも幸運なことに、革命前にイギリスやアメリカの上流階級へ贈られていた個体が生き残っていました。その子孫たちのおかげで、ボルゾイは絶滅の危機を逃れることが出来たと言われています。
さらに名前の由来もユニークで、「ボルゾイ」という言葉はロシア語で「俊敏」「速い」といった意味を持ち、その名の通りの走力を誇ります。
やがて19世紀には「ロシアの宮廷犬」と呼ばれるほどの格式を持ち、20世紀以降は世界中に広がりました。現在ではショードッグや家庭犬としても人気が高い犬種です。
飼育にかかる費用
「ボルゾイを飼いたい!」と思ったら飼育費用も気になるところですよね。基本的な初期費用やお迎え後にかかる費用を知って、問題なく飼育できるか確認しておきましょう。
ボルゾイの子犬の購入価格
ペットショップ 平均25万円
ブリーダー 平均30万円
マイクロチップ 約1,000円
畜犬登録 約3,000円
最初にそろえる生活品
5万円~7万円ほど
- サークル
- クレート
- トイレ
- ペットシーツ
- 首輪やリード
- 食器類
- お手入れ用品
- おもちゃなど
狂犬病予防ワクチン 約3,500円
混合ワクチン 約10,000円
健康診断 約15,000円
フィラリア予防薬 約2,000円
さらに、フードの品質にもよりますが、ボルゾイは毎月のフードやおやつなどの消耗品に10,000円ほどかかります。他にも、ケガや病気で急な出費が出る場合もあるので、必ず最後まで面倒を見れるように準備をしてからお迎えをしてくださいね。
ボルゾイのかかりやすい病気と対策

ボルゾイを飼う前には、どのような病気に注意が必要か知っておくことが大切です。かかりやすい病気と対策を知って、いざというときに落ち着いて対応出来るようにしておきましょう。
ここでは、特に注意したい代表的な2つの病気と、その対策を紹介していきますね。
①胃捻転
胃捻転は大型犬に多く見られる疾患で、胃がねじれてしまい、血流や消化の流れが妨げられてしまう病気です。
原因としては、一度に大量の食事をとることや、食後すぐの激しい運動があげられます。また、症状では、急に苦しそうに呼吸をしたり、お腹が膨れて吐きたそうにしても吐けない、といった様子が見られます。
対策としては、食事を1日2〜3回に分けて与えること、食後は安静にすることが大切です。加えて、食器の高さを工夫することや早食いを防ぐ工夫も有効です。
進行が早く命にかかわる病気なので、普段と違う様子が見られたらすぐに動物病院で診てもらってくださいね。
②股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節の構造に異常があり、うまくはまり込まないことで関節が不安定になってしまう病気です。
原因は遺伝的要素が大きいとされていますが、急激な体重増加や過度な運動も悪化の要因となります。症状としては、歩き方がぎこちなくなる、後ろ足をかばうように歩く、立ち上がるのがつらそう、といった動作の変化が目立ちます。
対策としては、子犬期から適切な体重管理を行うことが基本です。また、成長期の過度なジャンプや長時間の無理な運動を避けることも重要です。症状が進んでしまった場合には、獣医による投薬や手術が必要になることもあります。
飼い方や育て方

ここでは、ボルゾイの飼い方や育て方について見ていきましょう。特に、日常生活で大切な「運動」「しつけ」「食事」「お留守番」の4つのテーマに絞って解説していきますね!
①運動不足を防ぐためのケア
ボルゾイはもともと狩猟犬として獲物を追いかけていたので、走ることを本能的に好む犬種です。そのため十分な運動量を確保する必要があります。
具体的には、毎日1〜2時間程度の散歩を朝晩の涼しい時間帯に分けておこない、休みの日はドッグランのような走り回れる場所での運動が理想です。
一方で過度な運動は関節に負担をかけるため、成長期の子犬やシニア期には特に注意して様子を見ながら運動させてあげてくださいね。
②しつけのポイント
しつけにおいては、信頼関係を築くことが何より大切です。ボルゾイは独立心が強いため、強制的な方法では心を閉ざしてしまうこともあります。
むしろ良い行動をしたときにしっかり褒める「ポジティブな方法」を軸にすると効果的です。ただし、叱らなければいけない場面もあると思うので、どんな褒め方や叱り方が良いのかも少し見ていきましょう。
まず、褒めるときはとにかく褒めます。大げさなくらいに褒めてあげましょう。「楽しい=またやりたい」と思わせることがコツですね。
そして、叱るときは低い声で短く「ダメ」と言うのがポイント。長々と説教しても理解できませんし、かえって混乱させてしまいます。「なぜダメなのか」ではなく「これはダメ」ということを明確に伝えるようにしましょう。
また幼犬期から「待て」や「呼び戻し」を練習しておくと、散歩中の安全確保にも役立ちます。特に外では小動物を追いかける本能が強いので、呼び戻しは必須のスキルと言えるでしょう。
③食事と栄養管理について
ワンちゃんの食事は、ライフステージに応じた栄養バランスが大切です。子犬期は高タンパク・高カロリーの成長期用フード、成犬期は維持期用フード、シニア期は消化しやすいシニア用フードを選ぶようにしましょう。
また、おやつは一日の食事の10%以内に抑えて、肥満にならないように注意が必要です。そして、食事の与え方も大切ですが、同じくらいに水分補給も大切です。いつでも新鮮な水が飲めるように常に用意しておいてあげてくださいね。
このように、愛犬の体質や年齢などに合わせて、上手くフードを切り替えながら栄養管理をしていきましょう。
お留守番の工夫やコツ
ボルゾイは落ち着いた性格のため、比較的お留守番が得意なタイプに入ります。とはいえ長時間になるとストレスが溜まるので、出かける前にしっかり運動させておくと安心ですね。
また、安心できるベッドやお気に入りのおもちゃを置いておけば、飼い主の不在中もリラックスしやすくなります。さらに、最初は短い時間から慣れさせ、徐々にお留守番時間を延ばす練習をしてあげましょう。
また、温度管理にも注意が必要です。夏場は特に熱中症に気を付けて、エアコンを忘れずにつけておきましょう。
一般的にワンちゃんが快適に過ごせる温度は25度前後と言われていますが、普段から愛犬にとっての適温を調べておいてくださいね。
ボルゾイに関するQ&A

ここでは、ボルゾイについてよくある質問を見ていきましょう。今回は5つ紹介していきますね!
- 初めて犬を飼う人でも大丈夫?
- 子供や他のペットとの相性は?
- アフガンハウンドとの違いは?
- サルーキとの違いは?
- ボルゾイが怖いと言われる理由は?
① 初めて犬を飼う人でも大丈夫?
初めて犬を飼う方でも不可能ではありませんが、大型犬特有の体力やしつけの難しさを理解しておく必要があります。
ボルゾイは基本的に穏やかな性格ですが、運動量や食事管理、そして病気への注意が欠かせません。犬の飼育経験がない場合は、事前の準備と勉強に加え、トレーナーのアドバイスを受けながら飼育することをおすすめします。
② 子供や他のペットとの相性は?
ボルゾイは落ち着きがあるので子供とも仲良くできることが多いです。ただし体格が大きいため、遊びの中でも不意にぶつかってしまう可能性もあります。そのため小さなお子さんと過ごすときは必ず大人が見守りましょう。
また他の犬や猫とも一緒に飼えますが、強い狩猟本能から小動物を追いかけてしまうことがある点は頭に入れておいてくださいね。
③ アフガンハウンドとの違いは?
アフガンハウンドはボルゾイと同じサイトハウンド系ですが、被毛の印象が大きく異なります。
アフガンハウンドは絹のように長く垂れ下がる毛が特徴で、ゴージャスな雰囲気を持っています。一方、ボルゾイは波打つ毛並みで、よりスリムで落ち着いた印象を与えます。
また性格面では、アフガンハウンドはややマイペースな一面があるのに対し、ボルゾイはより穏やかで静かに過ごすことが多いです。
④ サルーキとの違いは?
サルーキも古代から存在するサイトハウンドの一種で、やや小柄でスレンダーな体型をしています。また、毛並みは短毛または羽のような飾り毛を持つタイプがあり、手入れの手間は比較的少なめです。
それと比べるとボルゾイは一回り大きく、被毛のお手入れには少し手間がかかります。性格的にはどちらも穏やかですが、ボルゾイのほうが落ち着きがあり、サルーキはやや活発な印象を持つことが多いでしょう。
⑤ ボルゾイが怖いと言われる理由は?
ボルゾイは体が大きく、一見怖そうな印象があるかもしれません。また「オオカミ狩りに使われていた」という歴史から怖いイメージがついてしまうこともありますね。
しかし実際にはとても穏やかで優しい性格の犬種です。むしろ無駄吠えが少なく、静かに人と寄り添うことを好むので、一緒に暮らしてみると印象ががらりと変わるはずですよ。
お迎え方法
ワンちゃんを迎える方法としては主に3つあり、ペットショップでの購入、ブリーダーからの購入、保護犬の里親になるなどが挙げられます。
ペットショップやブリーダーからの購入、保護犬を迎える場合など、それぞれの特徴やポイントをしっかり押さえてあなたに合った方法を選びましょう。
ペットショップからお迎えする場合
ボルゾイをペットショップからお迎えする場合は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 親犬の情報(血統や健康状態)を確認できるか
- ショップの衛生管理がしっかりしているか
- 子犬の性格や育ち方を丁寧に説明してくれるか
ただし、ペットショップでは親犬の情報がわかりにくいこともあるので、健康面や遺伝疾患についてしっかり聞いておきましょう!
ブリーダーからお迎えする場合
ブリーダーからお迎えする場合、まずは信頼できるブリーダーを探すことが大切です。信頼できるブリーダーを探すには、「JKC(ジャパンケネルクラブ)」や「ブリーダー直販サイト」を活用するとよいでしょう。
良いブリーダーの選び方
- 衛生管理が行き届いた環境で育てられているか
- 親犬や兄弟犬と一緒に過ごし、適切な社会化がされているか
- 遺伝疾患のリスクを説明してくれるか
また、悪質なブリーダーを避けるために、子犬をすぐに引き渡そうとするブリーダーには注意してくださいね。
保護犬を迎える場合
ペットショップやブリーダーからのお迎え以外に、保護犬の里親になる方法もあります。保護施設や動物愛護団体では、ボルゾイを含むさまざまな犬達が新しい家族を待っています。
- 費用が比較的安く、お迎えしやすい
- 成犬の場合、しつけが済んでいることが多い
- 保護犬を迎えることで、新たな命を救える
ただし、過去にトラウマを抱えている子もいるため、十分な理解と愛情をもって迎えることが大切です。「ペットのおうち」や「ハグー」といった保護犬のマッチングサイトを活用すると、相性の良い子を見つけやすいですよ!
お迎え方法まとめ
| お迎え方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ペットショップ | すぐにお迎えできる | 親犬の情報がわかりにくい |
| ブリーダー | 健康管理がしっかりされている | 価格がやや高め |
| 保護犬・里親 | 費用が安く、命を救える | 過去のトラウマがある子もいる |
まとめ
この記事ではボルゾイについて紹介してきました。「自分に飼えるかな?」と迷っていたあなたも、この記事を読んで少しでも飼うイメージが持ててくれたら嬉しいです。
どんなワンちゃんを迎えるにしても、大切なのは飼い始める前にしっかりと準備をすることです。住環境、経済面、時間の確保など、様々な角度から検討してください。そして何より、この子の一生に責任を持つ覚悟があるかどうかが一番大切です。
あなたとボルゾイとの素敵な出会いがありますように!最後までご覧いただきありがとうございました!





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