日本犬の中でも、ひときわ存在感の強い秋田犬。この記事では、「見た目は知っているけど、どんな性格なの?」「お手入れは大変?」といった疑問にもお答えしていきます。
他にも飼育にかかる費用や飼い方のポイント、病気と対策など、お迎え前に知っておきたい情報が満載なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
秋田犬の基本情報

秋田犬の見た目の特徴
秋田犬は、堂々とした体格とぬいぐるみのような顔が魅力的なワンちゃんです。大きくて丸みのある顔に、ぴんと立った三角形の耳が可愛らしさを際立たせます。音を聞いている時に、耳が前に傾く姿も可愛らしいんですよ。
また、目はつり目できつい印象かと思いきや、口角がわずかに上がって見えるので、笑ったときの顔にキュンとしちゃうんです。
そして忘れてはいけないのが、ふさふさのしっぽ。力強く背中の上にくるりと巻き上がっていて、動くたびにふわっと揺れる姿はまさに癒やしそのものです。
被毛の特徴とお手入れ方法

秋田犬の毛は二重構造のダブルコートで、外側は硬くしっかりとしたオーバーコート、内側は柔らかく密集したアンダーコートです。この構造のおかげで、寒さにも強く快適に過ごせるようになっています。
また、毛色は赤・白・虎毛・胡麻などバリエーション豊かで、多くの人が想像する秋田犬の一般的なカラーは赤の毛色です。
被毛の特徴が分かったところで、次はお手入れについて解説していきますね!
①シャンプーについて
まずはシャンプーについて解説していきます。月に1回を目安におこない、犬用の低刺激・無香料のシャンプーを使用して洗いましょう。人間用のシャンプーはワンちゃんにとって刺激が強いので避けてくださいね。
そして洗い方ですが、お湯の温度は36~38℃に設定し、毛の根元までしっかり濡らしてから泡立てます。洗い残しがあると皮膚トラブルの原因になるので、念入りにすすいでくださいね。
また、シャンプー後は必ずタオルドライとドライヤーでしっかり乾かしましょう。人間用のドライヤーだと温度が高いことがあるので、犬用のドライヤーを使うのもおすすめですよ!
②ブラッシングについて
ブラッシングは、週に2〜3回を目安におこない、抜け毛の増える換毛期は毎日おこなうようにしましょう。使うブラシは、アンダーコートをしっかりかき出せるスリッカーブラシやピンブラシがおすすめです。
毛の流れに沿って優しくブラッシングし、耳の後ろや足の付け根など、毛が絡まりやすい場所は念入りに整えてあげてくださいね。また、無理に引っ張ると痛いことがあるので、ほぐしながら少しずつ進めるのがコツですよ!
秋田犬の性格

秋田犬は見た目の迫力とは裏腹に、とても穏やかで忠犬と言われるほど情に厚い犬種です。今回は、4つに分けて秋田犬の性格を詳しく見ていきましょう。
- ①忠誠心が強い
- ②落ち着きがある
- ③警戒心がある
- ④自立心が高い
①忠誠心が強い
秋田犬は飼い主への忠誠心がとても高いことで有名です。
毎日駅で飼い主を待ち続けた姿で有名な「忠犬ハチ公」のエピソードこそ、忠誠心の高さの象徴ではないでしょうか。
そんな秋田犬は、家族を何よりも大切にするワンちゃんです。ただし、家族以外には距離を置くこともあります。それは「信頼できる人をしっかり見極める」という秋田犬の特性からくるものなんですね。
②落ち着きがある
秋田犬は成犬になると、とても落ち着いた性格になります。無駄に吠えたり騒いだりすることが少なく、静かに過ごす時間を好む子が多いですね。家庭内では寝ていることが多く、「大きなぬいぐるみ」と言われることもあります。
落ち着きがある反面、子犬期はやんちゃで元気いっぱいです。その時期から適切なしつけを行うことで、成長後の安定した性格につながりますよ。
③警戒心がある
秋田犬は本来、番犬としての資質を持っています。家族や縄張りを守ろうとする本能があり、見知らぬ人や動物に対しての警戒心が強いです。
そのため、番犬としてはとても優秀ですが、来客時には事前に安心できるよう配慮する必要があります。信頼関係が築ければ、警戒心は少なくなり、落ち着いた対応を見せてくれるでしょう。
④自立心が高い
秋田犬は自立心が強く、常にべったりと甘えるタイプではありません。そのため、ある程度の距離感を保ちながら接することが大切です。そんな日本犬らしい「ツンデレ」な性格も、愛される理由のひとつですね。
ただし、自立心が強いあまり、しつけがしっかり出来ていないと自己判断で動いてしまうこともあります。周りや愛犬を守るためにも、しっかりと信頼関係を築き、しつけをおこなってくださいね。
歴史や起源
秋田犬の故郷は、その名の通り秋田県で、秋田地方の山岳地帯で狩猟犬として活躍していたのが始まりと言われています。
そのルーツを辿ると「マタギ犬」と呼ばれる中型犬にたどり着きます。ちなみにマタギ犬とは、東北地方の猟師が熊や鹿といった大物を狩るときに頼りにしていた相棒のことです。
江戸時代の後期から明治時代にかけて、このマタギ犬に土佐犬やグレートデーンなどの大型犬を交配し、体格を大きく力強くしていきました。こうして誕生したのが、現在の秋田犬です。
当時は闘犬としての歴史も持っており、その勇敢さと迫力は人々を魅了しました。しかし、やがて闘犬は禁止され、秋田犬は再び狩猟犬として活躍します。
その後、昭和6年(1931年)には、その歴史的価値と美しい姿が評価され、日本の天然記念物に指定されました。そして現在では、猟師の頼れるパートナーから、世界中の人々に愛される犬種となっています。
飼育にかかる費用

「秋田犬を飼いたい!」と思ったら飼育費用も気になるところですよね。基本的な初期費用やお迎え後にかかる費用を知って、問題なく飼育できるか確認しておきましょう。
秋田犬の子犬の購入価格
ペットショップ 平均18万円
ブリーダー 平均20万円
マイクロチップ 約1,000円
畜犬登録 約3,000円
最初にそろえる生活品
5万円~7万円ほど
- サークル
- クレート
- トイレ
- ペットシーツ
- 首輪やリード
- 食器類
- お手入れ用品
- おもちゃなど
狂犬病予防ワクチン 約3,500円
混合ワクチン 約10,000円
健康診断 約15,000円
フィラリア予防薬 約2,000円
さらに、フードの品質にもよりますが、秋田犬は毎月のフードやおやつなどの消耗品に10,000円ほどかかります。他にも、ケガや病気で急な出費が出る場合もあるので、必ず最後まで面倒を見れるように準備をしてからお迎えをしてくださいね。
秋田犬のかかりやすい病気と対策
秋田犬を飼う前には、どのような病気に注意が必要か知っておくことが大切です。かかりやすい病気と対策を知って、いざというときに落ち着いて対応出来るようにしておきましょう。
ここでは、特に注意したい代表的な2つの病気と、その対策を紹介していきますね。
- ①股関節形成不全
- ②胃捻転
①股関節形成不全
股関節形成不全は、大型犬に多く見られる関節の病気で、股関節の形が正常に発達せず、骨と骨のかみ合わせが悪くなる病気です。
原因としては遺伝的な要因が大きく、さらに子犬期の急激な体重増加や過度な運動もリスクを高めます。よく見られる症状は、歩き方がぎこちない、後ろ足を引きずる、立ち上がるのを嫌がるなどが代表的です。
対策としては、関節に負担がかからないように、適正体重を維持することが大切です。また、成長期の激しいジャンプや長時間の全力走行は避け、適度な散歩や水泳など関節にやさしい運動を取り入れましょう。
②胃捻転
胃捻転は、胃が異常に膨らみ、そのままねじれてしまう非常に危険な病気で、発症すると短時間で命に関わる可能性があります。特に、大型犬や胸の深い犬種に多く、早食いや、食後すぐの激しい運動がリスクを高めます。
症状としては、落ち着きがなくなる、腹部が急に膨らむ、吐こうとしても吐けない、呼吸が荒くなるなどが多いです。また、進行が早いため、症状に気付いたらすぐに動物病院へ行く必要があります。
予防のためには、一度の食事量を分けて与える、食後は1時間以上安静にする、水の飲みすぎを防ぐなどが大切です。
秋田犬の飼い方のポイント

ここでは秋田犬の飼い方のポイントについて、「運動」「しつけ」「食事」「お留守番」の4つのテーマに絞って解説していきますね。
①運動不足を防ぐためのケア
秋田犬はもともと猟犬として活躍していたため、持久力があり、適度な運動が欠かせません。運動不足はストレスや肥満の原因になりやすいので注意が必要です。
朝晩2回、最低30分以上の散歩に、週に1回はドッグランで自由に走らせる時間も欲しいところです。また、散歩コースはたまに変化をつけて、山道や公園など自然の中を歩くのも気分転換になりますよ。
ただし、成長期の過度な運動や硬い路面での長時間ランニングは関節に負担をかけるため避けましょう。
②しつけのポイント
秋田犬は賢く覚えが早い一方で、自立心が強いため自己判断することもあります。そのため、子犬期から一貫性のあるしつけが大切です。
「座れ」「待て」「おいで」といった基本指示は日常で繰り返し教えましょう。褒めるタイミングはできた瞬間がベストです。「少し大げさかな?」と思うくらいに褒めてあげてくださいね。
また、叱るときは低い声で短く「ダメ」と言うのがポイントです。長々と説教しても理解できませんし、かえって混乱させてしまいます。「なぜダメなのか」ではなく「これはダメ」ということを明確に伝えるようにしましょう。
そして、他の犬や人に慣れる社会化も重要です。子犬期にさまざまな環境や音、匂いに触れさせると、成犬になってからの落ち着きにつながりますよ。
③食事と栄養管理について
ワンちゃんの食事は、ライフステージに応じた栄養バランスが大切です。子犬期は高タンパク・高カロリーの成長期用フード、成犬期は維持期用フード、シニア期は消化しやすいシニア用フードがおすすめです。
また、おやつは一日の食事の10%以内に抑えて、肥満にならないように注意しながら与えるようにしましょう。
そして、食事の与え方も大切ですが、同じくらいに水分補給も大切です。いつでも新鮮な水が飲めるように常に用意しておいてあげてくださいね。
このように、愛犬の体質や年齢などに合わせて、上手くフードを切り替えながら栄養管理をしていきましょう。
④お留守番の工夫やコツ
秋田犬は自立心が強く、比較的お留守番も得意ですが、長時間になると退屈や不安を感じることがあります。そのため、お気に入りのおもちゃや知育玩具を用意して、ひとりでも退屈しない工夫をしましょう。
また、留守番前にはしっかり散歩や遊びでエネルギーを発散させておくと、落ち着いて過ごしやすくなります。
そして、温度管理にも注意が必要です。夏場は特に熱中症に気を付けて、エアコンを忘れずにつけておきましょう。一般的にワンちゃんが快適に過ごせる温度は25度前後と言われていますが、普段から愛犬にとっての適温を調べておいてくださいね。
お迎え方法

ワンちゃんを迎える方法としては主に3つあり、ペットショップでの購入、ブリーダーからの購入、保護犬の里親になるなどが挙げられます。
ペットショップやブリーダーからの購入、保護犬を迎える場合など、それぞれの特徴やポイントをしっかり押さえてあなたに合った方法を選びましょう。
ペットショップからお迎えする場合
秋田犬はペットショップでも出会えますが、確率はそこまで高くありません。そのため、どうしてもペットショップからお迎えしたい場合は、根気強く探す必要があります。
また、ペットショップでのお迎えを考えている場合は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 親犬の情報(血統や健康状態)を確認できるか
- ショップの衛生管理がしっかりしているか
- 子犬の性格や育ち方を丁寧に説明してくれるか
ただし、ペットショップでは親犬の情報がわかりにくいこともあるので、健康面や遺伝疾患についてしっかり聞いておきましょう!
ブリーダーからお迎えする場合
秋田犬をお迎えするなら、信頼できるブリーダーからのお迎えがおすすめです。ブリーダーなら、親犬の健康状態や育成環境をしっかり確認できるため、安心して迎えられます。
良いブリーダーの選び方
- 衛生管理が行き届いた環境で育てられているか
- 親犬や兄弟犬と一緒に過ごし、適切な社会化がされているか
- 遺伝疾患のリスクを説明してくれるか
また、悪質なブリーダーを避けるために、子犬をすぐに引き渡そうとするブリーダーは要注意!
信頼できるブリーダーを探すには、「JKC(ジャパンケネルクラブ)」や「ブリーダー直販サイト」を活用するとよいでしょう。
保護犬を迎える場合
ペットショップやブリーダーからのお迎え以外に、保護犬の里親になる方法もあります。保護施設や動物愛護団体では、秋田犬を含むさまざまな犬達が新しい家族を待っています。
- 費用が比較的安く、お迎えしやすい
- 成犬の場合、しつけが済んでいることが多い
- 保護犬を迎えることで、新たな命を救える
ただし、過去にトラウマを抱えている子もいるため、十分な理解と愛情をもって迎えることが大切です。「ペットのおうち」や「ハグー」といった保護犬のマッチングサイトを活用すると、相性の良い子を見つけやすいですよ!
お迎え方法まとめ
| お迎え方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ペットショップ | すぐにお迎えできる | 親犬の情報がわかりにくい |
| ブリーダー | 健康管理がしっかりされている | 価格がやや高め |
| 保護犬・里親 | 費用が安く、命を救える | 過去のトラウマがある子もいる |
秋田犬に関するQ&A
ここでは、秋田犬についてよくある質問を見ていきましょう。今回は5つ紹介していきますね!
- 初めて犬を飼う人でも大丈夫?
- 子供との相性は?
- 秋田犬の読み方は?
- 秋田犬と柴犬の違いは?
- 秋田犬は危険なの?
①初めて犬を飼う人でも大丈夫?
秋田犬は賢く落ち着きがありますが、大型犬ならではの体力と力強さがあります。そのため、犬の扱いに慣れていない方は少しハードルが高いかもしれません。
ただし、しつけ教室やブリーダーのサポートを受けながら育てれば、初心者でも十分にパートナーになれますよ。特に子犬期からの一貫したルール作りと社会化が成功のポイントです。
②子供との相性は?
基本的に家族に対してはとても優しい犬種です。子供とも仲良くできますが、遊びの最中に体格差でぶつかると危険なこともあるため、必ず大人が見守りましょう。
また、子供が犬の嫌がることをしないように教えることも大切です。しっかりとルールを守れば、頼もしいお兄さん・お姉さんのような存在になってくれますよ!
③秋田犬の読み方は?
「あきたけん」とも「あきたいぬ」とも読みますが、「あきたいぬ」が正式だと言われています。日本国内でも地域によって呼び方が違う場合がありますが、どちらの呼び方も通じます。
④秋田犬と柴犬の違いは?
一番わかりやすいのはサイズです。秋田犬は大型犬で、柴犬は小型犬です。秋田犬は筋肉質で骨太、柴犬はコンパクトで俊敏な体つきをしています。
性格も異なり、秋田犬は落ち着きがあり忠誠心が強く、柴犬は活発で好奇心旺盛な傾向があります。
⑤秋田犬は危険なの?
秋田犬は本来、家族を守るために行動する頼もしい犬です。しかし、警戒心が強いため、正しいしつけや社会化がされていないと攻撃的になることがあります。
危険かどうかは育て方と環境によります。信頼関係を築き、ルールを守らせれば非常に穏やかで優しいパートナーになります。
初めて会う人や犬とは、必ず飼い主がコントロールできる状況を作ることが安全のポイントです。
まとめ
この記事では秋田犬について紹介してきました。「自分に飼えるかな?」と迷っていたあなたも、この記事を読んで少しでも飼うイメージが持ててくれたら嬉しいです。
どんなワンちゃんを迎えるにしても、大切なのは飼い始める前にしっかりと準備をすることです。住環境、経済面、時間の確保など、様々な角度から検討してください。そして何より、この子の一生に責任を持つ覚悟があるかどうかが一番大切です。
あなたと秋田犬との素敵な出会いがありますように!最後までご覧いただきありがとうございました!



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