警察犬や災害救助犬のイメージが強いジャーマンシェパード。実は家庭犬としても人気の高い犬種なんです。
この記事ではそんなジャーマンシェパードについて、「どんな性格?」「お手入れってどうなの?」といった疑問にも答えていきます。
他にも飼育にかかる費用や飼い方のポイント、病気と対策など、お迎え前に知っておきたい情報が満載なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
ジャーマンシェパードの基本情報

ジャーマンシェパードの見た目の特徴
ジャーマンシェパードといえば、まず目に飛び込んでくるのがその堂々とした体格です。筋肉がしっかりついているので力強さが目立ちますが、走る姿はしなやかで柔らかい印象も与えてくれるんですよ。
さらに、少し腰の下がった体型をしており、この独特の姿勢が「シェパードらしさ」を際立たせています。
そして特徴的なのは、やはりあの立ち耳ではないでしょうか。三角形の耳が常にピンと立ち、周囲の音を敏感にキャッチしています。また、鼻の周りには「マスク」と呼ばれる黒い模様があり、凛々しい印象を与えてくれます。
そんな凛々しい顔つきですが、優しい目や穏やかな表情で怖さを感じさせないところも愛される理由ですね。
被毛の特徴とお手入れ方

ジャーマンシェパードの被毛は、ダブルコートと呼ばれる二重構造になっています。外側は硬めで雨や汚れをはじきやすく、内側は柔らかく密集して体温を保つ役割を果たします。この被毛のおかげで寒さには強いですが、暑さには少し弱いという特徴もあるんです。
また抜け毛の量は多めで、特に春と秋の換毛期には毎日のように毛が抜けるので、こまめなお手入れが欠かせません。シャンプーやブラッシングなどのお手入れについてはこの後解説していきますね!
①シャンプーについて
まずはシャンプーについて解説していきます。月に1回を目安におこない、犬用の低刺激・無香料のシャンプーを使用して洗いましょう。人間用のシャンプーはワンちゃんにとって刺激が強いので避けてくださいね。
そして洗い方ですが、お湯の温度は36~38℃に設定し、下から上へと洗っていきましょう。流すときは汚れや泡を落とすために、上から下へと流してくださいね。
洗い終わった後はタオルでよく拭き、ドライヤーで乾かします。人間用のドライヤーだと温度が高いことがあるので、犬用のドライヤーを使うのもおすすめですよ!
②ブラッシングについて
次にブラッシングについてです。ジャーマンシェパードは抜け毛が多いので毎日ブラッシングをおこなう必要があります。
また、使用するブラシは、スリッカーブラシとアンダーコート用のブラシの2つを用意すると良いでしょう。まずスリッカーブラシで表面の毛をとかし、次にアンダーコート用のブラシで下毛をしっかりと取り除きます。
シャンプーやブラッシングは、被毛だけでなくワンちゃんの皮膚を守るために大切なお手入れなので、しっかりとおこなってあげてくださいね。
ジャーマンシェパードの性格

ここではジャーマンシェパードの性格を4つに分けて深堀してみました。この後、ひとつずつ詳しく紹介していきますね!
- ①忠誠心が強い
- ②知能が高い
- ③警戒心がある
- ④愛情深い
①忠誠心が強い
ジャーマンシェパードといえば、まず「忠誠心の強さ」が特徴的です。飼い主に対してとても従順で、一度信頼関係を築くと最後まで寄り添ってくれますよ。この特性が警察犬や災害救助犬として活躍する理由のひとつですね。
ただしその忠誠心は強すぎることもあり、飼い主以外に対してはなかなか心を開かないこともあるので、根気強く向き合うことが大切です。
②知能が高い
世界的に見ても知能が高い犬種として知られているジャーマンシェパード。指示への理解が早く、複雑な作業やコマンドを覚えることも得意です。
そのため、軍用犬や盲導犬など、幅広い分野で人間をサポートしています。しかし、賢い分退屈を嫌う傾向があるんです。退屈に感じさせないためにも、毎日の生活で頭を使う遊びや訓練を取り入れてあげると、ストレスなく過ごせますよ。
③警戒心がある
警戒心の強さもジャーマンシェパードの基本的な性格のひとつです。特に、知らない人や突然の物音に敏感に反応し、家族を守ろうとする姿勢が見られるでしょう。
この性格は番犬としてとても頼もしいですが、逆に過剰な警戒心は問題行動につながることもあります。そのため、幼い頃から社会化をしっかり行い、いろんな人や犬に慣れさせることが大切です。
外の世界に慣れることで「守るべきもの」と「受け入れるべきもの」をきちんと判断できるようになりますよ。
④愛情深い
ジャーマンシェパードは、力強くて勇敢なイメージが先行しがちですが、実はとても愛情深い犬種でもあります。
飼い主や家族と一緒にいることを好み、スキンシップを求めて甘える一面もあるんです。大きな体で子犬のように甘える姿は、普段の堂々とした姿とのギャップを感じますね。
「頼もしさ」と「甘えん坊」の両方を持ち合わせた性格だからこそ、多くの人に愛されているのではないでしょうか。
歴史や起源

ジャーマンシェパードの歴史は、19世紀末頃のドイツまでさかのぼります。当時は農村で羊を守るための牧羊犬が必要とされていました。
そこで、「強さ」「知性」「持久力」を兼ね備えた理想的な牧羊犬を作ろうと誕生したのがジャーマンシェパードなんです。
ちなみに祖先となった犬たちは、ドイツのチューリンジやヴェルテンベルクなどの牧羊犬で、「オールドジャーマンシェパード」と呼ばれています。
そうして牧羊犬として活躍したジャーマンシェパードですが、万能的な能力の高さから、軍や警察でも活躍する犬種へと発展していきました。
その結果、第一次世界大戦や第二次世界大戦では、伝令や救助、監視など多様な任務をこなした働きぶりから「勇敢で賢い犬」という評価が世界中に広がっていきます。
そして戦後は家庭犬としても人気が高まり、今では警察犬や盲導犬、さらには映画やドラマにも登場するほど親しまれている犬種です。
飼育にかかる費用
「ジャーマンシェパードを飼いたい!」と思ったら飼育費用も気になるところですよね。基本的な初期費用やお迎え後にかかる費用を知って、問題なく飼育できるか確認しておきましょう。
ジャーマンシェパードの子犬の購入価格
ペットショップ 平均25万円
ブリーダー 平均30万円
マイクロチップ 約1,000円
畜犬登録 約3,000円
最初にそろえる生活品
5万円~7万円ほど
- サークル
- クレート
- トイレ
- ペットシーツ
- 首輪やリード
- 食器類
- お手入れ用品
- おもちゃなど
狂犬病予防ワクチン 約3,500円
混合ワクチン 約10,000円
健康診断 約15,000円
フィラリア予防薬 約2,000円
さらに、フードの品質にもよりますが、ジャーマンシェパードは毎月のフードやおやつなどの消耗品に10,000円ほどかかります。他にも、ケガや病気で急な出費が出る場合もあるので、必ず最後まで面倒を見れるように準備をしてからお迎えをしてくださいね。
ジャーマンシェパードのかかりやすい病気と対策

ジャーマンシェパードを飼う前には、どのような病気に注意が必要か知っておくことが大切です。かかりやすい病気と対策を知って、いざというときに落ち着いて対応出来るようにしておきましょう。
ここでは、特に注意したい代表的な2つの病気と、その対策を紹介していきますね。
- ①関節疾患
- ②胃捻転
①関節疾患
ジャーマンシェパードは股関節形成不全や肘関節のトラブルなど、関節疾患が多い犬種として知られています。
原因は遺伝的な要因に加えて、急激な成長や過度な運動、肥満による関節への負担です。主な症状としては、足を引きずる、立ち上がるのを嫌がる、散歩をしたがらないなどが見られます。
遺伝的な要因が大きいので、お迎え前に子犬の両親の情報を確認することも対策として効果的です。また、成長期は過度な運動を控え、適正体重を保つことや滑り止めマットを敷くなど、関節に負担をかけない環境作りも大切ですよ。
②胃捻転
胃捻転は胃がねじれてしまう病気で、特に大型犬がかかりやすいと言われています。
原因としては、一度に大量の食事や水を摂ること、食後すぐの激しい運動、早食いなどが挙げられます。症状は急に苦しそうにする、お腹が膨らむ、吐きたそうにするけれど吐けないなど。
対策としては、食事を分けて与えることや、食後すぐに運動させないことが大切です。また、早食い防止用の食器を使うのも効果的ですよ。
胃捻転は進行が早く命にかかわる病気なので、もし胃捻転が疑われる症状が出たら、迷わずすぐに動物病院へ連れて行ってくださいね。
飼い方や育て方

ここではジャーマンシェパードの飼い方や育て方について見ていきましょう。特に日常生活で大切な、「運動」「しつけ」「食事」「お留守番」の4つのテーマに絞って解説していきますね!
①運動不足を防ぐためのケア
ジャーマンシェパードはとても活発な犬種です。1日最低でも2時間以上の運動が必要で、散歩以外にもドッグランやワンちゃんが走り回れる場所で、運動させてあげる必要があります。
また、ボール遊びやフリスビーなど、頭を使う遊びを取り入れるとより満足度が高まるのでおすすめです。運動不足はストレスや問題行動の原因になるため、毎日の運動でしっかりストレス発散させてあげてくださいね。
②しつけのポイント
ジャーマンシェパードのしつけで重要なのは、一貫性です。家族全員が同じルールを徹底することで、犬も混乱せずに学習できますよ。
また、基本的なコマンド(座れ、待て、来い)は、子犬の頃から根気よく教えましょう。ジャーマンシェパードは学習能力が高いため、正しい方法で教えれば短期間で習得します。その分、間違った教え方もすぐに覚えてしまうので注意が必要です。
叱るよりも、褒めて伸ばすポジティブトレーニングが信頼関係も築きやすいので、おすすめです。
③食事と栄養管理について
ワンちゃんの食事は、ライフステージに応じた栄養バランスが大切です。子犬期は高タンパク・高カロリーの成長期用フード、成犬期は維持期用フード、シニア期は消化しやすいシニア用フードを選ぶようにしましょう。
また、おやつは一日の食事の10%以内に抑えて、肥満にならないように注意が必要です。そして、食事の与え方も大切ですが、同じくらいに水分補給も大切です。いつでも新鮮な水が飲めるように常に用意しておいてあげてくださいね。
このように、愛犬の体質や年齢などに合わせて、上手くフードを切り替えながら栄養管理をしていきましょう。
④お留守番の工夫やコツ
飼い主への愛情が強いジャーマンシェパードは、お留守番があまり得意ではありません。そのため、お留守番には工夫が必要になってきます。
まず、お留守番の時には時間をかけて遊べる知育トイやお気に入りのおもちゃを用意して、退屈しないようにしてあげましょう。他にも、飼い主さんのにおいの付いた服やタオルを用意してあげると安心してくれますよ!
また、温度管理にも注意が必要です。暑さに弱い犬種なので、夏場は特に熱中症に気を付けて、エアコンを忘れずにつけておきましょう。
一般的にワンちゃんが快適に過ごせる温度は25度前後と言われていますが、普段から愛犬にとっての適温を調べておいてくださいね。
ジャーマンシェパードに関するQ&A

ここでは、ジャーマンシェパードについてよくある質問を見ていきましょう。今回は4つ紹介していきますね!
- ①初めて犬を飼う人でも大丈夫?
- ②子供や他のペットとの相性は?
- ③ジャーマンシェパードは真っ黒な個体もいる?
- ④ジャーマンシェパードは室内飼いできますか?
①初めて犬を飼う人でも大丈夫?
結論から言うと、ジャーマンシェパードは初めて犬を飼う人にとっては少しハードルが高いかもしれません。
なぜなら、賢く自分で考える力も高いので、しつけや社会化トレーニングの部分で経験が求められるからなんです。
ただし、迎える前にしっかり勉強や準備をして前向きに取り組める方であれば、一緒に暮らすことは十分可能です。最初はドッグトレーナーやしつけ教室のサポートを受けるのも良い方法ですよ。
②子供や他のペットとの相性は?
幼い頃からしっかり社会化を行えば、子供や他のペットとも仲良くできます。ただし体が大きく力も強いため、遊んでいるうちに子供を押し倒してしまうこともあるので注意が必要です。
また、強い警戒心を持っているため、初対面の犬や猫には慎重に慣れさせることが大切です。家族の一員として育てれば、とても優しいパートナーになりますよ。
③ジャーマンシェパードは真っ黒な個体もいる?
はい。ジャーマンシェパードの毛色は一般的にブラック&タンですが、真っ黒な個体も存在します。
珍しいため希少価値があり、ブリーダーでも人気が高いことが多いですが、毛色によって性格が変わることはありません。
④ジャーマンシェパードは室内飼いできますか?
ペットとしてジャーマンシェパードをお迎えする場合、室内での飼育をおすすめします。外で飼うと警戒心がより強くなり、あまり家庭犬としては向かない性格に育ちやすいです。
また、大型犬なので十分な室内スペースを確保する必要があります。他にも、家具や壁を傷つけないような工夫や、過ごしやすい環境づくりが大切なポイントです。
お迎え方法
ワンちゃんを迎える方法としては主に3つあり、ペットショップでの購入、ブリーダーからの購入、保護犬の里親になるなどが挙げられます。
ペットショップやブリーダーからの購入、保護犬を迎える場合など、それぞれの特徴やポイントをしっかり押さえてあなたに合った方法を選びましょう。
ペットショップからお迎えする場合
ジャーマンシェパードをペットショップからお迎えする場合は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 親犬の情報(血統や健康状態)を確認できるか
- ショップの衛生管理がしっかりしているか
- 子犬の性格や育ち方を丁寧に説明してくれるか
ただし、ペットショップでは親犬の情報がわかりにくいこともあるので、健康面や遺伝疾患についてしっかり聞いておきましょう!
ブリーダーからお迎えする場合
ジャーマンシェパードをお迎えするなら、信頼できるブリーダーからのお迎えがおすすめです。ブリーダーなら、親犬の健康状態や育成環境をしっかり確認できるため、安心して迎えられます。
良いブリーダーの選び方
- 衛生管理が行き届いた環境で育てられているか
- 親犬や兄弟犬と一緒に過ごし、適切な社会化がされているか
- 遺伝疾患のリスクを説明してくれるか
また、悪質なブリーダーを避けるために、子犬をすぐに引き渡そうとするブリーダーは要注意!
信頼できるブリーダーを探すには、「JKC(ジャパンケネルクラブ)」や「ブリーダー直販サイト」を活用するとよいでしょう。
保護犬を迎える場合
ペットショップやブリーダーからのお迎え以外に、保護犬の里親になる方法もあります。保護施設や動物愛護団体では、ジャーマンシェパードを含むさまざまな犬達が新しい家族を待っています。
- 費用が比較的安く、お迎えしやすい
- 成犬の場合、しつけが済んでいることが多い
- 保護犬を迎えることで、新たな命を救える
ただし、過去にトラウマを抱えている子もいるため、十分な理解と愛情をもって迎えることが大切です。「ペットのおうち」や「ハグー」といった保護犬のマッチングサイトを活用すると、相性の良い子を見つけやすいですよ!
お迎え方法まとめ
| お迎え方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ペットショップ | すぐにお迎えできる | 親犬の情報がわかりにくい |
| ブリーダー | 健康管理がしっかりされている | 価格がやや高め |
| 保護犬・里親 | 費用が安く、命を救える | 過去のトラウマがある子もいる |
まとめ
この記事ではジャーマンシェパードについて紹介してきました。「自分に飼えるかな?」と迷っていたあなたも、この記事を読んで少しでも飼うイメージが持ててくれたら嬉しいです。
どんなワンちゃんを迎えるにしても、大切なのは飼い始める前にしっかりと準備をすることです。住環境、経済面、時間の確保など、様々な角度から検討してください。そして何より、この子の一生に責任を持つ覚悟があるかどうかが一番大切です。
あなたとジャーマンシェパードとの素敵な出会いがありますように!最後までご覧いただきありがとうございました!



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