セントバーナードの性格や飼い方、気になる値段まで！知っておきたい情報を徹底解説

「アルプスの少女ハイジ」でおなじみの大型犬、セントバーナード。救助犬として活躍していた歴史を持つこの犬種は、見た目の迫力とは裏腹に、とても穏やかで家族思いの性格のワンちゃんです。

この記事では、そんなセントバーナードの特徴や性格はもちろん、飼育にかかる費用や飼い方のポイント、他にもお迎え前に知っておきたい情報を紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね！

セントバーナードの基本情報

もっと詳しい情報や、セントバーナードの魅力はこの後紹介していきますね！

見た目の特徴

セントバーナードといえば、まるで小さな熊かと思うほど、モフモフでどっしりとした存在感が特徴的です。成犬になると体重はなんと80kgを超えることも。

そんな大きな体ですが、優しい顔つきとのんびりした動きで威圧感はまったくないんです。特にたれ目気味の大きな目と、ポテっとした口元がなんとも言えない可愛さを醸し出しています。

そしてもう一つの特徴が「マズル（鼻の周り）」です。黒くて幅広のマズルは、個体によって模様もさまざまで、それぞれ違った魅力が楽しめますよ！

被毛の特徴とお手入れ方法

セントバーナードの被毛は、厳しい山岳地帯での作業に適応するため、とても密度が高く保温性に優れています。被毛のタイプには「ショート」と「ロング」の2種類があり、どちらもダブルコートと呼ばれる二重構造になっているのが特徴です。

それでは、お手入れについて見ていきましょう。

シャンプーについて

まずはシャンプーについて解説していきます。月に１回を目安におこない、犬用の低刺激・無香料のシャンプーを使用して洗ってあげましょう。人間用のシャンプーはワンちゃんにとって刺激が強いので避けてくださいね。

また、お湯の温度は36～38℃に設定しておきましょう。そして洗い方ですが、いきなり頭からお湯をジャバー！はNGです。足元から徐々に頭の方へ向かって慣らしていきましょう。シャンプーの際は、しっかりと泡立ててから体にのせるのがコツですよ。

シャンプー後はタオルとドライヤーで完全に乾かしていきましょう。人間用のドライヤーだと温度が高いことがあるので、少し離して使用するか、犬用のドライヤーを使うのもおすすめです。

ブラッシングについて

セントバーナードのブラッシングは、週に2～3回ほどおこなえば大丈夫です。ただし、春と秋の換毛期には抜け毛が増えるので、その時期はもう少しブラッシング頻度を増やしても良いでしょう。

シャンプーやブラッシングは、被毛だけでなくワンちゃんの皮膚を守るために大切なお手入れなので、しっかりとおこなってあげてくださいね。

セントバーナードの性格

セントバーナードはとにかく優しい性格で、子供との相性もぴったりなワンちゃんです。今回は3つの特徴に分けて、詳しく解説していきますね。

1. 穏やかで優しい
2. 勇敢で頼りになる
3. 子どもとも相性ぴったり

①穏やかでやさしい

セントバーナードの魅力といえば、なんといってもその穏やかさと優しさです。まるで「癒し系の巨人」と言いたくなるほど、のんびり屋で落ち着いた性格をしています。

そんなおっとりとした性格のセントバーナードですが、子犬の頃のやんちゃな姿も可愛らしいんです。大型犬なのに、心はほんわか系。ギャップにはまってしまう人続出です。

②勇敢で頼りになる

温厚なのに、いざという時にはちゃんと頼りになるのがセントバーナードのすごいところ！

もともと雪山の救助犬として活躍していた歴史があるため、判断力と行動力に優れています。なので、家族がピンチのときや、異変を察知したときにはしっかりと行動して守ってくれるタイプです。

「やさしくて強い」なんて、まさに理想のパートナーではないでしょうか。

③子供とも相性ぴったり

セントバーナードは、その優しい性格から子供との相性もぴったりです。小さな子に対しても、威圧感を与えることなく、兄弟のように寄り添ってくれますよ。

ただしセントバーナードは辛抱強い部分があるので、子供が乱暴に接していても我慢してしまうことがあります。

そのため、子供にもワンちゃんへの接し方をしっかりと教えて、最初は必ず様子を見ながら相性を確かめるようにしてくださいね。

歴史や起源

セントバーナードは、スイスとイタリアの国境にある、グラン・サン・ベルナール峠にある修道院で生活していた犬種です。

この峠は古くからローマ時代の重要な交通路でしたが、険しい山道と厳しい気候のため、遭難者が後を絶ちませんでした。そこで、遭難者の捜索や救助の手助けをしていたのが、セントバーナードです。

特に有名なのが、1800年代に実在した“バリー”という名前のセントバーナードで、40人以上の命を救ったと言われています。その功績を称えて、スイスではバリーの銅像が作られたんですよ！

ちなみに、よくイラストや映画などで「首に小さな樽をぶらさげている犬」として描かれるのも、このセントバーナード。

実際にお酒を運んでいたかどうかは諸説ありますが、寒さに震える人に飲ませるための“ブランデー樽”だったと言われていたりします。

そんな歴史から、セントバーナードは今でも「救助犬の象徴」として、世界中で愛されています。

飼うのに向いている人や環境

ここでは、セントバーナードを飼うのに向いている人について紹介していきます。どの犬種にも言えることですが、相性や向き不向きはあるので、あなたのライフスタイルや性格に合っているかを確認しておきましょう。

今回は3つに分けて紹介していきますね！

①広めのスペースがある人

まずはなんといっても、広めの室内スペースの確保が必須です。セントバーナードは体がとても大きいので、狭いアパートでは少し窮屈に感じてしまいます。

理想は庭付きの一軒家ですが、庭が無くても十分な運動量を確保できる環境が整っていれば問題ありません。

②大家族やお子さんのいる家庭

セントバーナードは人懐っこく、特に子供やお年寄りに対して優しい性格です。そのため、家族が多い家庭や子育て中の家庭にもとても向いています。

子供のよき遊び相手として活躍してくれるだけでなく、心の支えにもなってくれる存在で、一緒に成長していく姿を見られるのも嬉しいポイントです。

③経済的な余裕がある人

どんなペットをお迎えするとしても経済的な余裕は必要ですが、セントバーナードのような大型犬は、特に多くのお金がかかります。

毎日の食費はもちろん、いざというときの医療費やペット保険などの料金も、少し高めに設定されている場合が多いです。

そのため、経済的な余裕が無いと最後まで飼うことが難しくなってしまうので、自分に飼えるかどうかをしっかり考えてからお迎えしてくださいね。

飼育にかかる費用

「セントバーナードを飼いたい！」と思ったら飼育費用も気になるところですよね。基本的な初期費用やお迎え後にかかる費用を知って、問題なく飼育できるか確認しておきましょう。

さらに、フードの品質にもよりますが、セントバーナードは毎月のフードやおやつなどの消耗品に15,000円ほどかかります。他にも、ケガや病気で急な出費が出る場合もあるので、必ず最後まで面倒を見れるように準備をしてからお迎えをしてくださいね。

セントバーナードのかかりやすい病気と対策

セントバーナードを飼う前には、どのような病気に注意が必要か知っておくことが大切です。かかりやすい病気と対策を知って、いざというときに落ち着いて対応出来るようにしておきましょう。

ここでは、特に注意したい代表的な3つの病気と、その対策を紹介していきますね。

1. 股関節形成不全
2. 胃捻転
3. 外耳炎

①股関節形成不全

股関節形成不全とは、大型犬に多く見られる遺伝性疾患で、股関節の発育に異常が生じる病気です。成長期に多く見られ、遺伝的な要因や過度な運動が関係しています。

症状としては、「歩き方がおかしい」「ジャンプを嫌がる」「後ろ足を引きずる」など。放っておくと痛みが悪化し、日常生活にも支障が出ることがあります。

対策としては、関節への負担を軽減するために滑り止めのマットを敷く、関節に優しいフードやサプリメントを取り入れるなどがおすすめです。

②胃捻転

胃捻転は命に関わる非常に危険な病気です。胃がガスで膨らみ、さらにねじれてしまうことで血流が遮断されてしまいます。ご飯を食べたあとすぐに運動したり、一気に食べることが引き金になることも。

症状は「急に苦しそうにする」「お腹が膨らんでいる」「吐きたそうにするけど何も出ない」などが多いです。気になる症状が出たら一刻も早く動物病院へ連れて行ってくださいね。

予防法としては、食後すぐに運動させないこと、1日2～3回に分けて食事を与えること、早食い防止用の食器を使うのも効果的ですよ。

③外耳炎

大きな垂れ耳がチャームポイントのセントバーナードですが、通気性が悪く、耳の中が蒸れやすいので外耳炎になりやすいんです。

症状は「耳をよく掻く」「頭をブンブン振る」「耳が臭う」「赤くなっている」など。悪化すると耳ダレや強いかゆみ、痛みを伴うこともあるので、早めの対応が大切です。

しっかりとした耳掃除は月に1～2回で大丈夫ですが、少なくとも週に1回は耳に異常が無いかチェックするようにしてくださいね。

専用のイヤークリーナーを使って、コットンやガーゼでやさしく拭き取ってあげましょう。

セントバーナードの飼い方のポイント

ここではセントバーナードの飼い方のポイントについて、「運動」「しつけ」「食事」「お留守番」の4つのテーマに絞って解説していきますね！

①運動不足を防ぐためのケア

セントバーナードは大型犬ですが、そこまで多くの運動量は必要ではありません。朝夕2回、それぞれ30分～1時間ほどの散歩で十分運動不足を防げます。

走り回るよりものんびりした運動が向いているので、公園や静かな住宅街でゆっくり歩いて運動不足とストレスを解消させてあげましょう。

②しつけのポイントとコツ

セントバーナードは、体が大きくなるとなかなか制御が難しくなるので、子犬の頃から「待て」や「おすわり」などの基本をしっかり教えておくことが大切です。家族みんなの教え方が違うと混乱してしまうので、一貫性を持ってしつけるようにしてくださいね。

あとは褒め方や叱り方も重要です。では、どんな褒め方や叱り方が良いのかも少し見ていきましょう。

まず、褒めるときはとにかく褒めます。大げさなくらいに褒めてあげましょう。また、毎回でなくてよいので、たまにおやつを与えながら褒めるのも効果的です。人間の子どもと同じで、「楽しい＝またやりたい」と思わせることがコツですね。

そして、叱るときは低い声で短く「ダメ」と言うのがポイント。長々と説教しても理解できませんし、かえって混乱させてしまいます。「なぜダメなのか」ではなく「これはダメ」ということを明確に伝えるようにしましょう。

③食事と栄養管理について

ワンちゃんの食事は、ライフステージに応じた栄養バランスが大切です。子犬期は高タンパク・高カロリーの成長期用フード、成犬期は維持期用フード、シニア期は消化しやすいシニア用フードがおすすめです。

また、おやつは一日の食事の10％以内に抑えて、肥満にならないように注意しながら与えるようにしましょう。

そして、食事の与え方も大切ですが、同じくらいに水分補給も大切です。いつでも新鮮な水が飲めるように常に用意しておいてあげてくださいね。

このように、愛犬の体質や年齢などに合わせて、上手くフードを切り替えながら栄養管理をしていきましょう。

④お留守番の工夫やコツ

寂しがり屋な一面もあるセントバーナードは、急に長時間のお留守番をさせると、不安でストレスを感じることもあります。

なので、おもちゃや知育トイを用意したり、ラジオやテレビをつけっぱなしにしておくのも効果的です。他にも、飼い主さんのにおいの付いた服やタオルを用意してあげると安心してくれますよ！

また、温度管理にも注意が必要です。夏場は特に熱中症に気を付けて、エアコンを忘れずにつけておきましょう。

一般的にワンちゃんが快適に過ごせる温度は25度前後と言われていますが、セントバーナードは暑さに弱い犬種なので、普段から愛犬にとっての適温を調べておいてくださいね。

お迎え方法

ワンちゃんを迎える方法としては主に３つあり、ペットショップでの購入、ブリーダーからの購入、保護犬の里親になるなどが挙げられます。

ペットショップやブリーダーからの購入、保護犬を迎える場合など、それぞれの特徴やポイントをしっかり押さえてあなたに合った方法を選びましょう。

ペットショップからお迎えする場合

セントバーナードをペットショップからお迎えする場合は、以下のポイントをチェックしておきましょう。

• 親犬の情報（血統や健康状態）を確認できるか
• ショップの衛生管理がしっかりしているか
• 子犬の性格や育ち方を丁寧に説明してくれるか

ただし、ペットショップでは親犬の情報がわかりにくいこともあるので、健康面や遺伝疾患についてしっかり聞いておきましょう！

ブリーダーからお迎えする場合

セントバーナードをお迎えするなら、信頼できるブリーダーからのお迎えがおすすめです。ブリーダーなら、親犬の健康状態や育成環境をしっかり確認できるため、安心して迎えられます。

良いブリーダーの選び方

• 衛生管理が行き届いた環境で育てられているか
• 親犬や兄弟犬と一緒に過ごし、適切な社会化がされているか
• 遺伝疾患のリスクを説明してくれるか

また、悪質なブリーダーを避けるために、子犬をすぐに引き渡そうとするブリーダーは要注意！
信頼できるブリーダーを探すには、「JKC（ジャパンケネルクラブ）」や「ブリーダー直販サイト」を活用するとよいでしょう。

保護犬を迎える場合

ペットショップやブリーダーからのお迎え以外に、保護犬の里親になる方法もあります。保護施設や動物愛護団体では、セントバーナードを含むさまざまな犬達が新しい家族を待っています。

保護犬を迎えるメリット

• 費用が比較的安く、お迎えしやすい
• 成犬の場合、しつけが済んでいることが多い
• 保護犬を迎えることで、新たな命を救える

ただし、過去にトラウマを抱えている子もいるため、十分な理解と愛情をもって迎えることが大切です。「ペットのおうち」や「ハグー」といった保護犬のマッチングサイトを活用すると、相性の良い子を見つけやすいですよ！

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お迎え方法まとめ

お迎え方法	メリット	デメリット
ペットショップ	すぐにお迎えできる	親犬の情報がわかりにくい
ブリーダー	健康管理がしっかりされている	価格がやや高め
保護犬・里親	費用が安く、命を救える	過去のトラウマがある子もいる

セントバーナードに関するQ＆A

ここでは、セントバーナードについてよくある質問を見ていきましょう。今回は2つ紹介していきますね！

①吠え癖や噛み癖はありますか？

セントバーナードは、基本的にはあまり吠えないですし、噛み癖も少ないワンちゃんです。子犬の頃にきちんとしつければ、成犬になってから問題になることもほとんどありません。

ただし、退屈だったり不安だったりすると吠えることもあるので、しっかり構ってあげましょう。おもちゃで噛む欲求を満たしてあげたり、甘噛みをやめさせるタイミングを見極めるのがポイントですね！

②ヨダレが多いって本当？

タプタプした口元が可愛らしいセントバーナードですが、ヨダレはかなり多めです。それだけじゃなく、水を飲んだ後も床がびしょびしょなんてことも日常茶飯事なので、掃除は少し大変かもしれません。

壁や家具がヨダレまみれになるので、タオルやウェットティッシュは必需品です。

まとめ

この記事ではセントバーナードについて紹介してきました。「自分に飼えるかな？」と迷っていたあなたも、この記事を読んで少しでも飼うイメージが持ててくれたら嬉しいです。

どんなワンちゃんを迎えるにしても、大切なのは飼い始める前にしっかりと準備をすることです。住環境、経済面、時間の確保など、様々な角度から検討してください。そして何より、この子の一生に責任を持つ覚悟があるかどうかが一番大切です。

あなたとワンちゃんに幸せな生活が待っていますように！最後までご覧いただきありがとうございました！